日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
複合材料に対するボクセル有限要素解析のGPU高速化
高井 陽介永井 学志
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2012 年 2012 巻 p. 20120002

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抄録

本論文では, 複合材料の2スケール応力解析をボクセル有限要素解析にて省力的・効率的に行うため, GPUを用いることでさらに高速化しうる実装法を提案する. まず複合材料の2スケール応力解析について述べてから, 連立1次方程式の反復解法である前処理付き共役勾配法 (PCG) アルゴリズムの, 本問題への特化について概説する. 続いて, Nvidia社Fermi世代GPUへの具体的な実装法を詳述する. その後, GeForce GTX580を用いた数値実験結果を示す. すなわち, PCG全体の演算速度として75±20GFLOPS程度 (理論値の約1割) を得た. これは, Core i9 950 (Intel社Nehalem世代CPU) 搭載のPCと比較して, 4~5倍の高速化である. その結果, 実装したGPUコードを基にして, ある硬化セメントペーストの非線形損傷進展解析1) を2003要素分割で行ったところ, PCでは約1週間を要していたものが, GPUでは約1日に短縮されるようになった.

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© 2012 The Japan Society For Computational Engineering and Science
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