2021 年 65 巻 12 号 p. 671-675
シリコン(Si),炭化ケイ素(SiC),窒化ガリウム(GaN),サファイア(α-Al2O3)などのような単結晶ウエハの仕上げ加工には,一般にCMP(Chemical mechanical polishing)が用いられているが,前加工に使用するラップ盤や研削盤と異なる工作機械と加工環境が必要であり,段取りや加工能率の改善が望まれている.そこで研削と同じ工作機械を用いることができ,CMPと同等あるいはより優れた仕上げ加工を目指して,著者らはCMG(Chemo- mechanical grinding)加工技術の開発を進めている.本報では,ボンド材をなくした砥粒率100wt%のBAP(binder-free abrasive pellet)を開発し,加工能率と仕上げ加工品位の向上を試みた.BAPの開発過程,開発したBAPの機械特性およびBAPによって構成されたCMG砥石の研削性能について報告する.