砥粒加工学会誌
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PCDロータリーツルアのエッジを使用した小径CBN砥石のツルーイング
第3報:小径内面研削における砥石周速高速化の効果
福山 修小川 徹高木 純一郎
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2016 年 60 巻 10 号 p. 557-562

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抄録

研削加工では砥石が良い切れ味を保つためには砥石周速を30m/s程度にすることが知られているが,砥石径が5mm以下の小径内面研削においては実現が難しい.本研究では,30m/sには至っていないが,小径砥石の周速を9.4m/sから18.8m/sに上げることにより砥石の切れ味が向上し,以下の効果が得られた.(1)ツルーイングの切込み量を最適化することにより,砥粒先端に鋭い微小切れ刃が生成されることがわかり,新工法のPCDロータリーツルアのエッジを使用したツルーイングが有効であることが確認できた.(2)切りくずが生成されやすくなったことから面粗さ,法線研削抵抗ともに改善された.(3)切残し,盛り上がりが低減したことにより,切込みインターバル(粗加工および仕上げ加工での切込みごとのスパークアウト回数)が10回から1回に削減できた.(4)オシレーション速度を3倍に上げても目標面粗さRa0.2μmが達成できた.(5)切込みインターバル回数の削減およびオシレーション速度の増加により,加工時間が約95%削減でき,高能率加工が実現できた.

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© 2016 社団法人 砥粒加工学会
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