2010 年 54 巻 3 号 p. 164-171
本研究は,ビトリファイドダイヤモンドホイールを用いた研削過程における砥粒切れ刃の摩耗挙動と作用面性状との相関を明らかにすることを主な目的としている.このため,集中度200のビトリファイドダイヤモンドホイールによるアルミナセラミックスの円筒プランジ研削実験を試み,研削過程におけるホイール作用面の変化をレプリカ転写-SEM法を用いて観察し,切れ刃摩耗挙動とその作用面トポグラフィに及ぼす影響について検討した.研削の進行に伴う砥粒切れ刃摩耗平坦面積の変化に基づき,砥粒切れ刃の摩耗過程を大きく,a)単調増加型,b)増加・急減型,c)低値安定型の3つのタイプに分類できることを示した.また,ダイヤモンド砥粒切れ刃の微小破砕による自生作用は,摩滅摩耗平坦面を保持しながら発現する場合が多く,このため自生作用の発生が作用面上の切れ刃先端高さの不揃いをもたらす要因にはなり難いことを明らかにした.