砥粒加工学会誌
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マイクロ切削に及ぼす機上工具作製の効果と表面改質によるマイクロツールの強靭化
成瀬 哲也上原 嘉宏片平 和俊水谷 正義大森 整小泉 仁
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2009 年 53 巻 2 号 p. 99-104

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抄録

近年の家電製品や携帯用品の小型化・高性能化に伴い,加工ツールに対しても小径化と高性能化が求められているが,マイクロツールは小径化されるにしたがい寸法効果の影響が大きくなるため,ツールの表面性状が工具性能や耐久性に大きな影響を与えることが示唆されている1)2).我々はそれらの要求に対しELID研削を用いることによりマイクロツールの表面粗さを改善し,直径1 mのマイクロツールが作製可能であることを報告してきた3).しかしながら,極小径マイクロツールを作製できたとしても,エンドミルなどの回転工具として使用する場合,工具の振れが加工精度や表面粗さに大きな影響を与える.本報では,極小径のマイクロツールを用いて加工するためのシステムを構築し,その加工システムの有効性を検証するとともに,ELID研削による表面改質効果がマイクロツールの機械的性質に何らかの影響を与えているのではないかと考え,ELID研削により作製したマイクロツールの表層内部の化学的性状を調査するためにXPS(X-ray photoelectron spectroscopy)による分析を行った.その結果,酸素原子の浸透および拡散によりマイクロツールが強靭化されたことが示唆された.

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© 2009 社団法人 砥粒加工学会
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