5nm~10nmのダイヤモンド結晶粒で構成されたナノダイヤモンド(ND)膜は真空中で電界を印加することで電子放出が発生し,1V/μm以下の電界で1mA/cm2という高い放出効率を持っていることが確認されている.このND膜はさまざまなデバイスへの応用が期待されているが,本研究では軟X線源へ利用したときの特性を評価した.軟X線源の一般的な動作電圧である8kV~10kVの電圧を印加して軟X線を発生させ,イオンの発生量について消費電力が等しい熱フィラメントを用いた場合と比較すると,消費電力がともに6Wなのに対してND膜によるX線源は熱フィラメントよりも約10倍のイオンが生成された.このことからND膜によって高出力な軟X線源デバイスの創生が可能であることが実証された.