繊維製品消費科学
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洗剤溶液の疲労度に関する研究
(第1報) 実用条件下における継続使用に伴う洗液性能の変化
藤沢 由美子林 雅子矢部 章彦
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1965 年 6 巻 1 号 p. 23-28

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抄録

ワイシャツ, ブラウスを電気洗たく機で洗う家庭実用の規模の洗たくにおいて, Na-ABSを主剤とするモデル洗剤溶液の繰り返し使用による疲労度を, 洗浄効率と洗液の諸特性 (起泡力, pH, 洗剤活性分, 比表面張力, 濁度) の変化および再汚染率などの測定によって検討した.
これらの結果から, 一般に洗剤溶液の疲労度の増大は洗浄効率, 起泡力, 洗剤活性分, pHなどの減少, 比表面張力, 濁度の増大となってあらわれるが, 洗剤活性分の消失しない限りその洗液での洗浄効率は水洗浄より大きく, これはNa-ABS洗剤の場合, 起泡力により容易に判定できる.
しかし, 実用的耐用限界は, 洗液の汚濁による繊維の再汚染に問題がある.この点では木綿はほとんど問題がないが, 再汚染性の著しい繊維 (テトロン, ナイロン, テトロン混紡など) では繰り返し使用はほとんど不可能であると考えられる.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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