2005 年 46 巻 4 号 p. 237-245
本研究では, カーテンによく見られる縦縞について, 縞幅と縞間隔, 配色がカーテン形状の見え方に及ぼす影響を検討した.その結果, 以下の事柄が明らかとなった.
1) サンプル中では, サンプルA (Fig.1参照) で, ひだはもっとも不規則に捉えられていたが, サンプルBとサンプルCでは, 形状の見え方に有意な差は認められなかった.
2) 同一色相の配色で明度差が大きいものや, 対照色相の配色など, 縞が目立つ配色のカーテンでは, ひだ形状はより不規則に見える.一方で, 同一色相の配色で明度差が小さいものでは, ひだ量は多く見えるが, ひだ形状はそれほど不規則には見えなかった.
3) カーテンのイメージは, 「簡素な」「繊細な」といった《形態因子》, 「重い」「硬い」といった《質感因子》, 「暖かい」「豪華な」といった《雰囲気因子》の3つの因子に集約された.
4) 縦縞柄は《形態因子》に影響を及ぼし, 縦縞があるとカーテン形状はひだ量が多く, ひだが不規則で複雑な印象となる.縦縞のカーテンは《質感因子》では「かたく」「厚い」印象を与えていたが, 《雰囲気因子》への縦縞の影響はみられなかった.