繊維製品消費科学
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実用洗たくにおけるすすぎに関する研究
(第2報) 繊維に残留する洗剤の影響
近藤 邦成鈴木 益太郎緒方 忠石 英輔加藤 みつ子
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1971 年 12 巻 7 号 p. 264-270

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抄録

最適すすぎ条件の設定を目的として, 洗たく後のすすぎ方法およびその程度により, 市販洗剤中の界面活性剤がどの程度繊維に染着し, またすすぎ液中に脱落するかは, 第1報 (本誌) で述べた.今回は引続き次の5項目につき検討した.
1.繊維の黄変におよぼす, すすぎ程度の影響
2.繊維の強度, 風合い, 耐熱性におよぼす, すすぎ程度の影響
3.衣類に付着している洗剤の肌に対する影響
4.けい光増白剤の染着量, 脱落量の定量法に関する検討
5.けい光増白剤の染着, 脱落におよぼす, すすぎ程度の影響
その結果, すすがないほうが, またはすすぎが短い方が水道水中の不純物の付着が少なく, 仕上り白度は良好であり, また紫外線照射による黄変も少なく, さらにけい光剤のすすぎによる脱落もなく, 布地の強度, 風合いも, no rinseとすすいだものでは差がみられなかった.残留洗剤の肌に対する影響も本実験範囲内においては, 問題ないと思われた.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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