2022 年 63 巻 3 号 p. 185-192
本研究では,新規な植物由来原料としてイソソルバイド(ISB)を基本骨格に取り込んだポリカーボネートジオール(PCD)を使用したポリウレタン(PU)樹脂を合成し,合成皮革の表皮層用樹脂として使用した際の特徴について検討を行った.その結果,得られたPU 樹脂のガラス転移点(Tg)は78℃と高く,従来型のPU 樹脂と一定比率以上で混合使用することで,合成皮革の表面にしぼとして残存し,表面風合いにも影響を与えることが確認できた.一方,−10℃での耐屈曲性評価では,実用性のある領域を見つけることができた.