繊維製品消費科学
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胸部形状に左右差のある乳がん術後女性の補整パッド装着時の着用感,衣服圧,重心について
岡部 和代諸岡 晴美谷田貝 麻美子
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 54 巻 1 号 p. 68-75

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抄録

乳がん術後女性のブラジャーと補整パッドの不具合解決にむけた指針を得ることを目的に研究を行った.被験者は,胸部形状に左右差のある乳がん術後女性12名(右全摘4名,左全摘4名,温存4名)である.実験1では適合したブラジャー(My ブラ)と補整パッド(My パッド)を,実験2ではMy ブラに同一型で重量の異なる補整パッド(トライアングル型シリコンパッド)6 種を試料とした. 実験1:全摘の被験者は,肩がこる,左右のバランスが気になる,全体的な圧迫感があると,半数以上が訴えた.パッドを装着しない時の重心は,多くの事例で術側にあったが,パッドを装着すると健側方向に変位した.実験2:全体の衣服圧はパッドの重量増加で高くなったが,特に術側の衣服圧が増加した.また,被験者はパッドが重いと感じ,肩がこる,全体の圧迫感がある,左右のバランスが気になるとした.術側の負担を軽減するためには,被験者ごとに補整パッドの重さを再検討する必要がある.

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© 2013 一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
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