1988 年 57 巻 6 号 p. 506-510
光照射による絹の劣化を強伸度の変化から調べた。254nmの紫外線による短時間 (200hr.) の照射では, フィルムで包装し紫外線を遮断すれば, 絹の強伸度低下は抑制されたが, 同じ時間で紫外線を直接絹に照射すると, 絹の強伸度が大幅に低下した。長時間の太陽光の照射では, 紫外線のカットできるフィルムの使用によって, 絹の強伸度の低下は緩やかになった。酸素のある状態と比べれば, 無酸素状態にある絹の強伸度低下は緩和される。また, 同じ試料では強度の低下より伸度の低下の方が速いことがわかった。