農林水産省蚕糸試験場
金城学院大学家政学部
信州大学繊維学部
1988 年 57 巻 6 号 p. 466-469
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Nd-sセリシン蚕繭糸を熱水溶解処理することで得られる熱水不溶解残渣が何であるかを明らかにするため, 熱測定ならびに電子顕微鏡観察を行った。セリシン蚕繭糸の熱水不溶解残渣には, セリシンの熱分解による吸熱ピークの他, 絹フィブロインの熱分解に帰属できる322℃の幅広い吸熱ピークが現れた。電子顕微鏡写真によると, セリシン繭糸の断面には繭糸断面積で約6%を占める電子密度の高いコアー部分が観察された。以上の結果から, Nd-sセリシン蚕繭糸にはフィブロインが僅かに含まれるものと推定された。
蚕糸・昆虫バイオテック
Journal of Insect Biotechnology and Sericology
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