日本蚕糸学雑誌
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白きょう病菌による蚕への経口感染の検討
柳田 健郎
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1987 年 56 巻 4 号 p. 279-284

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抄録

白きょう病菌の分生胞子を添食接種して, 蚕への経口感染を検討した。
蚕の消化液に白きょう病菌を接種すると, 分生胞子の発芽や菌糸の発育が観察された。また, 皮膚に付着した分生胞子の殺菌には70%エタノール浸漬処理が有効であった。添食接種後, 蚕体表面に付着した分生胞子は70%エタノール浸漬処理によって殺菌した。2齢及び3齢起蚕に白きょう病菌を添食すると, 硬化病によって死亡した。添食接種による死亡蚕数は経皮接種によるよりも少なかった。添食接種による死亡蚕の発生は慢性的で, しかも眠期に集中した。5齢起蚕に添食接種すると, 不結繭蚕の半化蛹体や蛹体で死亡した。これらの多数の蚕の消化管から白きょう病菌が検出された。

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