日本蚕糸学雑誌
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繭糸繊度に及ぼす生理活性物質の投与効果
塚田 益裕木村 敬助渋川 明郎嶋崎 旭赤井 弘
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1987 年 56 巻 3 号 p. 231-234

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抄録

太繊度系, 細繊度系, ならびに現行蚕品種に幼若ホルモン活性物質 (JHA) あるいは抗幼若ホルモン活性物質 (AJH) を投与し, 発育経過, 繭の量的形質, 繭糸繊度などに及ぼす影響を明らかにした。3, 4, 5齢期にJHAを投与した太繊度系蚕品種 (HN101×C23) の繭糸繊度曲線には内層部分に最大繊度領域が現れた。JHA投与区の繭糸の最大繊度値は, 対照区のそれとほぼ同様であったが, 繭糸長は増加し特に太繊度の部分が大きく延長される特徴が見られた (Fig. 1)。これに対して3齢期にAJHを投与した3眠蚕の繭糸繊度は対照区のほぼ1/2まで細くなるが, 繭糸長は対照区よりも長く, 全体的に太さの均斉な繭糸であることが確かめられた。細繊度系蚕品種 (N5・N6×C5・C6) および現行品種 (N134×C135) においても繭糸繊度については同様な傾向がみられた。

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