1976 年 45 巻 6 号 p. 533-536
家蚕の体液アミラーゼを寒天ゲル薄層電気泳動法で調査し, 次のような結果を得た。
51系統の家蚕幼虫から移動度の異なる総計5種類の活性帯を分離し, これらを陽極側から順次A, B, C, DおよびEと名付けた。これらの活性帯はすべて陽極方向へ移動した。活性帯の種類は系統によって異なっていたが, 系統内の雌雄による差は認められなかった。この51系統の中では, A活性帯のみ検出されたものが3系統, B活性帯のみが39系統, Dのみが1系統, Eのみが3系統であったが, C, E 2種の活性帯が共に検出されたものが1系統だけあった。また, 活性帯のまったく検出されないものが4系統あった。なお, 蚕の成長にともなう活性帯の変化は認められなかった。