日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集
日本蚕糸学会第72回学術講演会
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降霜直前の桑葉に分布する氷核活性細菌のポピュレーション
渡部 賢司佐藤 守
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p. 152

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抄録

前年、我々は群馬県、長野県、及び山梨県の桑園における降霜直前の氷核活性細菌の分布調査を行ったところ、1995年のつくば市周辺の分布傾向とは異なっていたので、さらに栃木県那須地方5ケ所、福島県阿武隈山系11ケ所、及び埼玉県秩父地方9ケ所における氷核活性細菌の分布について同様の調査を行った。2001年10月∼11月に桑園または廃桑園からクワ葉を採取し、平板希釈法により細菌を分離したところ、Er. herbicola群細菌は24地点から、Ps. syringaeは17地点から分離された。LB平板培地で培養したこれらの細菌を、それぞれ1mlの滅菌蒸留水に懸濁し、-5℃、30分で凍結するか否かによって氷核活性能の有無を判定した。その結果、氷核活性能を有するEr. herbicola群細菌(Er. ananas他)が桑葉より新たに9株分離され、食害していたクワノメイガからも5株分離された。一方、Ps. syringaeは分離された株のほぼ100%が氷核活性能を有しているという興味深い結果が得られた。さらに、これら新たに分離されたEr. herbicola群細菌の氷核活性遺伝子等の解析結果も報告する予定である。

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© 2002 社団法人 日本蚕糸学会
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