カイコ濃核病ウイルス2型非感受性遺伝子nsd-2の単離を目指して、第17染色体に座位するnsd-2近傍領域のゲノム解析を行った。密接に連関する4つのcDNAマーカーを用いて、スクリーニングしたBACライブラリーから43クローンをピックアップしてBACクローンDNAのフィンガープリンティングを行い、2つのコンティグが作成された。これらのうち、3つのcDNAマーカーを含む大きなコンティグについて、全領域をカバーするように4つのBACクローンを選択し、BACショットガンシーケンシング法により、塩基配列を決定した。この662Kbのシークエンスをもとに、各シークエンスコンティグ、各BACクローンシークエンスを統合し、全長593Kbの1本のシークエンスとなった。このシークエンスについて、SilkBase、BLASTxにより相同性検索を行った。その結果、これまでに見つかっているカイコcDNA12種と、またカイコ以外の生物の7種のタンパク質とホモロジーのある領域が見つかり、これらは非常に偏って分布していた。この中にはウイルス増殖に関与すると言われているものがあった。また種々の繰り返し配列が非常に多く見られ、これらの分布も非常に偏っていた。