2022 年 41 巻 1 号 p. 7-11
医療従事者のストレス軽減は医療の質を向上させる可能性がある。居心地良い環境はストレス軽減に効果的と考えられるが,集中治療室では様々な不快な感覚が生み出され,勤務者に多大なストレスを強いる。本施設ではEffective Medical Creation(EMC)に基づき集中治療室の1部屋を色彩学,心理学や空間構成に焦点を当て改装した。我々は,集中治療室に勤務した看護師延べ120人を対象として,改装部屋が一般部屋と比較し勤務者のストレスを軽減するか検討したが,唾液アミラーゼ,主観的ストレス度(VAS,NRS)に有意差はなかった。評価項目測定のタイミングやEMCに基づいた更なる改良の必要性が今後の検討課題である。