日本小児血液・がん学会雑誌
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症例報告
Spontaneous tumor lysis syndromeにより心室性頻拍を合併したB前駆細胞性急性リンパ性白血病の1例
北澤 宏展松林 正
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2016 年 53 巻 3 号 p. 305-308

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抄録

Spontaneous tumor lysis syndromeによる高カリウム血症,心室性頻拍を合併したB前駆細胞性急性リンパ性白血病の1例を報告する.症例は10歳女児.全身性間代性けいれんと顔色不良のため救急搬送となった.受診時,ショック状態で血圧は測定不能であった.WBC 30,830/μL(芽球91%),RBC 149×104/μL,Hb 4.5 g/dL,Ht 13.3%,Plt 1.0×104/μL,LD 4,125 IU/L,尿酸46.1 mg/dL,urea 85 mg/dL,Cr 1.85 mg/dL,K 9.7 mEq/L,Ca 5.8 mg/dL,P 26. 3mg/dL.心電図ではVTを呈していた.受診2時間半後に血液濾過透析を開始したところ,不整脈はすぐに消失し,血圧も正常化した.末梢血芽球細胞の表面マーカーはCD10+ 19+ HLA-DR+であり,B前駆細胞性急性リンパ性白血病と診断した.

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© 2016 日本小児血液・がん学会
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