日本小児血液学会雑誌
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小児悪性腫瘍患児の病名の取扱いに関するアンケート調査
川上 清嶽崎 俊郎中園 伸一北原 琢磨伊地知 修碇元 直昭宮田 晃一郎
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1991 年 5 巻 5 号 p. 477-482

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抄録

我々は悪性腫瘍患児の生活環境の改善を図る目的で, 患児の病名の取扱いに関する調査を行った.当科で管理している75例を対象とした.我々は両親のみに病名を告げているが, 親が直接本人に病名を告知した例は学童患児の9.3%と少なかった.しかし親が本人以外の家族に病名を話している例は多く, 特に祖父母への告知が多かった.また親の職場へわが子の病名を告げている頻度も高かった.親以外から本人に病名が漏れたものが10例あり, 患児の通学している学校側の不注意によるものが目だった.患児に病名を告げることに先だって, 我々は学童患児においては学校生活における心理面での環境整備も必要であることがわかった.

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