小児歯科学雑誌
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鶴見大学歯学部附属病院小児歯科診療室における咬合異常とその治療に関する臨床統計的観察(第3報)
井出 正道守安 克也高橋 智秀高見澤 豊星 仁史石川 美和子今泉 洋子大森 郁朗
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2000 年 38 巻 4 号 p. 795-802

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抄録

鶴見大学歯学部附属病院小児歯科診療室に,1987年9月から1996年7月までのおよそ9年間に来院した7,000名の小児の中で,咬合治療を実施した小児の臨床統計的観察を行い,以下の結果を得た。
1.咬合治療を実施した小児は1,192名(17.0%)であり,性差については女児(668名)が男児(524名)より多かった。
2.治療対象となった咬合異常は前歯部反対咬合が最も多かった(32.5%)。
3.咬合治療を実施した小児の中で咬合異常を主訴に来院した小児の割合は52.3%であり,咬合異常種類別では前歯部反対咬合が61.7%と最も多かった。
4.使用した装置の総数は1,740であり,チンキャップが最も多かった(27.1%)。
5.装置別使用開始時平均年齢はチンキャップが最も低く(7歳2か月),マルチブラケットが最も高かった(12歳1か月)。
6.咬合改善に要した期間の平均は,バイトプレートが最も長く(1年10か月),チンキャップとハビットブレーカーで1年以上であったが,その他の装置はすべて1年以内であった。
7.使用期間の平均は,チンキャップの3年2か月が最も長く,ついでバイトプレートの2年2か月であり,その他の装置はすべて1年から2年の間であった。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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