農業土木学会論文集
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谷津内水路に生息する魚類の分布とそれを支配する要因の推定
小貝川上流域を事例として
柿野 亘水谷 正一藤咲 雅明後藤 章
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2006 年 2006 巻 246 号 p. 809-816

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抄録

栃木県市貝町小貝川流域で属性の異なる5つの谷津を選び, 生息魚類の分布を把握するために調査を行った.その結果, ホトケドジョウは谷頭において, ヌマムツ, シマドジョウは谷尻において偏った分布を示した.ドジョウ, タモロコは谷津の中心に分散的に分布する傾向がうかがわれた.また, 谷頭から各Stまでの水路距離を尺度にして分布の支配的な環境要因を推定した.その結果, ホトケドジョウは水温と有意な負の相関が見られ, 水温が低いと生息密度が高くなった.シマドジョウは水温と有意にやや正の相関が見られ, 水温が高いと生息密度が高くなった.ヌマムツは積算落差高と有意にやや負の相関が見られ, 積算落差高が小さいと生息密度が高くなった.

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