農業土木学会論文集
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灌水量を減少させたときの畑作物収量の評価
雨よけ施設による実証試験
岩田 幸良中野 寛奥野 林太郎
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2004 年 2004 巻 231 号 p. 273-278

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抄録

干ばつ時の水不足による作物の減収量を評価をするため, 北海道の主要畑作地帯の3カ所に雨よけ施設を設置し, 無降雨条件で灌水量を変化させた試験区の収量の違いを調べた. 試験地における蒸発散位の上限に相当する3mm・d-1の灌水量を基準とし, 2mm・d-1, 1mm・d-1と灌水量を減少させることで水ストレスを受けた条件を作り, 各試験地の代表的な畑作物を栽培した. その結果, 例えばダイズ・ニンジン・バレイショでは2mm・d-1の灌水量で基準区に比べ95%以上の収量が期待できるなど, 灌水量が少ない場合の減収量を各作物ごとに定量的に把握することができた. このことから, 地域の現状に見合った灌水量や作物を設定して雨よけ施設内で栽培試験をおこなうことにより, 経済的な畑地の用水計画を立案する上で有用な水分不足時の減収量を把握できることが示された.

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© 社団法人 農業農村工学会
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