農業土木学会論文集
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浅井戸の揚水量と井戸水位のクラスター分析及び段階揚水試験とによる井戸属性の計量評価
浅井戸群の揚水管理に関する研究 (1)
大橋 行三藤原 正幸Moha P. BHATTA
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1998 年 1998 巻 195 号 p. 505-516,a3

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抄録

広域的な浅層地下水の取水管理は, 流動場の動的把握のみでなく, 水利権等の制約条件との競合・協調を柔軟に解決するための「組合せ最適化手法」との連結が必要である.本研究は, 扇状地中下流域の数十個の浅井戸 (直径: 3~5m, 深さ: 8~15m) を対象に, 1年間の各井揚水量と井戸水位の計測値 (4時間単位) に関するクラスター分析 (絶対値と差分値との階層間行列分布確率) に基づいて, 浅井戸の「揚水能力」等の水理属性を計量する新たな手法を提案した。これらの検討には, 井戸毎十回余の段階揚水試験結果による水理特性の解析と, 降水量が平均的な1985年, 豊水の93年及び渇水の94年の両極端な年間データの3分析結果とを用い, 各井戸の限界揚水量等が適切に評価できることを実証的に明らかにした。この計量化は, 取水操作計画に必要な水量割付に適用できる.

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© 社団法人 農業農村工学会
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