ザンビアのザンベジ川氾濫原, ナムシャケンデ地区を対象に気象観測を実施し, 実測値をもとに冷涼乾期の実蒸発散量を推定した. その結果,(1)ボーエン比法で求めた実蒸発量の時間計算値は不安定な値が含まれていたが, ペンマン法による蒸発散位の計算結果は安定していた.(2)冷涼乾期の蒸発散比はその期間を通じて0.33で, ほぼ一定であった.(3)3月から6月までの100日間の蒸発散量を推定した結果, 蒸発散量の平均値は1.4mm/dであった.(4)蒸発散量は, 雨期から乾期に移行しても急激には減少しなかった. これは, 台地からの地下水の供給が影響しているものと推定され, この地下水の役割に留意することが重要であると判断された.