農業土木学会論文集
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浸透条件下における許容塩分濃度について
水稲の生育と許容塩分濃度とに関する研究 (II)
北村 邦彦喜多 威知郎
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1994 年 1994 巻 171 号 p. 131-135,a3

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抄録

海水に地下水を加え, 電気伝導度で種類に調整した塩水を潅概用水として使用し, 浸透条件下で水稲の生育試験を行った。その結果, 導電率が2, 500μS/cmの塩水を供給した場合, 浸透量は17mm/日と生育に最適条件にもかかわらず移植直後に生育障害を受けた。導電率が1, 900μS/cmの時, 中干し後の浸透量が62mmと残留塩類が除塩されやすい状況にあったが黄化現象が発生し出穂前に6割強が障害をうけた。しかし, 乳熟期においてこの現象は消失した。一方, 1, 400μS/cm以下では障害の発生は認められなかった。また, 浸透水と表面水との導電率の差は浸透量によって相違はあるが, 平均で浸透水が250μS/cm前後高く除塩されていること等が明らかとなった。

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