1993 年 1993 巻 164 号 p. 105-113,a3
水工計画の策定に際して必要となる豪雨の短時間波形特性および最大雨量の分布について調べた。ここでは,京都における45年間の資料について,豪雨の各波形要素および自己相関特性などを吟味した結果,全豪雨資料のうち,1山波形とみなせるものは約50%あり,ほとんどは,3山以下であること,総雨量と1時間最大雨量の間に,かなり高い相関関係がみられること,1時間最大雨量の分布はガンマ分布とみなせることなどを明らかにした。
さらに,短時間雨量系列から最大値分布・長時間雨量分布の誘導を試み,1時間雨量系列がマルコフ過程として扱えることを利用して,1時間雨量分布から長時間雨量分布の推定が可能であることを明らかにした。