2000 年 68 巻 11 号 p. 1185-1191,a3
大区画圃場整備は, 構造政策の実現手段として重要な役割を担っているが, 期待通りには進展していない。その原因の一っとして, 以下に示すような課題に対する技術的不明確さがあると思われる。(1) 大規模区画圃場の区画規模上限値をどうとらえるのか。(2) 作業能率の高い圃場とはどのような農地であるのか。(3) わが国の自然的, 歴史的特性等を踏まえた場合, どのような整備を進あるのが現実的であるのか。本報では, これらの課題について技術的観点から整理し, 提案を行う。また, 筆者等が提案している「道路抜き工法型等高線区画」が, これら提案に適合するとともに, 今日の構造政策に対応する圃場形態の一般モデルとして有効であることを述べる。