1992 年 60 巻 2 号 p. 121-126,a1
釧路湿原はわが国最大の湿原であり, 微妙な自然生態系を保っている。この湿原を対象に, 2時期のランドサットTMデータ, 気象データ等により, 洪水時における湛水域の実態・変動を面的に解析・検討した。また, 湿原植生および湿原周辺の土地利用の変化を2時期の衛星データ (ランドサットMSS, MOS-1のMESSR) から抽出した。その結果, 融雪や大雨による湿原の氾濫原が抽出でき, その位置が変化し, 以前より下流に移動しつつあることがわかる。また, 地表面温度分布をみると, 湛水域で温度が低い。2時期の土地利用分類の結果から, その変化部分 (湿原から草地に変化, 森林から伐採・植林, 湿原植生で変化しつつある部分) を抽出できた。