大川瀬ダムは, 堤体コンクリート量145,000m3の重力式コンクリートダムである。当ダムでは品質確保の面からコンクリートの打込み温度を25℃ 以下に規制し, 夏期に打込み温度が規制値を超える場合の対策の一つとして, 液体窒素を練混ぜ中のコンクリートに直接吹付けるプレクーリング工法を採用した。液体窒素によるプレクーリング工法は, 海外では多数の施工例があるが, 国内においてはダムのようなマスコンクリートに対しては初めての施工である。この方法により昭和62年度ならびに昭和63年度の夏期に約16,000m3のコンクリートを打設した。本報は当ダムにおける液体窒素によるプレクーリング工法の施工記録を述べたものである