農業農村工学会誌
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担い手水田農業展開後の灌漑管理システムへの提言
石井 敦
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2015 年 83 巻 4 号 p. 263-266,a1

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抄録

日本の平野部水田地域でも,水田を5 ha以上の巨大区画として巨大圃場機械を効率よく用い,大規模経営体の専従者1人当たりの経営規模を80 ha/人以上に拡大することで国際競争力をもった低コスト米作が可能である。巨大区画水田では灌漑用水や水利施設の管理は単純で容易になるが,一方,農村地域の維持には大規模経営体以外の多様な農業の展開が必要なため用水管理は複雑化し,エンドユーザーの変貌により従来のムラをベースとした重層的な水利組織は改変が必要になる。また,建設事業として実施される基幹水利施設の更新や大規模改修のシステムも,事業の三条資格者の変貌への対応が課題となる。これらを,内外の先進事例の分析に基づいて論述する。

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© 2015 公益社団法人 農業農村工学会
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