臨床血液
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―血液疾患診療の注目すべき進歩と将来像(造血幹細胞移植)―
GVHDの病態生理機序理解の進展
藤原 英晃
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2022 年 63 巻 5 号 p. 423-432

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抄録

同種造血細胞移植後の急性移植片対宿主病(graft-versus-host disease, GVHD)は移植成績に直接的・間接的に影響を及ぼす主要な合併症である。過去20年において,GVHD病態機序の理解は着実に進み,新たな治療法が開発されてきている。GVHD発症・重篤化には,従来のT細胞と抗原提示細胞による免疫寛容性の破綻に加えて,腸管をはじめとする組織寛容の破綻も大きく関与している。本稿では,これら各細胞・組織における病態生理とそれに基づく治療法について解説し,多様化する現代の移植におけるGVHD像を理解し,個別化した最適な移植療法を目指す。

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© 2022 一般社団法人 日本血液学会
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