2004 年 45 巻 5 号 p. 383-386
症例は31歳女性,妊娠12週時の定期健診にて貧血,血小板減少を指摘され当科紹介となる。自己免疫性血小板減少を合併する骨髄異形成症候群(不応性貧血)と診断した。mPSL及びγglb大量投与を用いて治療したが奏効せず,大量血小板輸血後に帝王切開で健児を分娩した。分娩後に貧血は自然に改善したが,血小板減少は改善しなかった。再度PSLを投与したところ,PAIgGの低下と共に血小板数の上昇を認めた。これまでMDSの妊婦の血小板減少に対しPSLが奏効した症例の報告はなされておらず,示唆に富む症例と考えられる。