2001 年 42 巻 7 号 p. 537-542
症例は45歳,女性。末梢血中への異常リンパ球出現のため,1999年8月入院。WBC 5,050/μl, Hb 6.7 g/dl, PLT 4.8×104/μl, sIL-2R 97,600 U/ml。異常リンパ球は78.0%で,位相差顕微鏡による観察で毛状の突起を有し,酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ陽性,細胞表面マーカーではCD5-, CD11c+, CD19+, CD25+, CD25(+)&CD19(+) 82.2%と典型的な欧米型hairy cell leukemiaと診断した。pentostatin 5 mg/m2を週1回投与したところ,12回投与後には,血中からhairy cellが消失した。このとき脾腫が軽度残存していたため摘脾を行ったが,免疫組織学的検索で脾にhairy cellは認められなかった。日本におけるhairy cell leukemia患者の多くはvariant formを有し,欧米型は非常にまれであるが,欧米における患者と同様にpentostatinが著しい効果を示した。