臨床血液
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臨床研究
高齢者急性骨髄性白血病に対するbehenoyl cytosine arabinoside, daunorubicin, 6-mercaptopurine (BHAC·DM)併用療法における投与量の比較検討
森 眞由美西村 弘道浦部 晶夫田村 和夫牧野 茂義岡部 健一富山 順治原 雅道谷本 光音菊池 正夫浜口 裕之佐藤 宏佐分利 能生
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2000 年 41 巻 2 号 p. 109-114

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抄録

60∼75歳の未治療AML(MDSからの移行例5例を含む)29例に対し,3/4量投与群(S-1群;BHAC 150 mg/m2 1∼7日,DNR 30 mg/m2 1∼3日,6 MP 70 mg/m2 1∼7日)と基準量投与群(S-2群;BHAC 200 mg/m2 1∼7日,DNR 40 mg/m2 1∼3日,6 MP 70 mg/m2 1∼7日)にランダマイズし,副作用,治療効果を比較検討した。7日目に骨髄穿刺を行い,芽球15%以上残存例には,全治療薬を2日間追加した。白血球数1,000/μl未満時には,G-CSF 200 μg/m2を投与した。寛解後の後療法は主治医に一任した。完全寛解率は,S-1群(13例)46.2% S-2群(16例)43.8%であり,両群間に有意差を認めなかった。副作用においても差を認めず,骨髄抑制期の死亡は各群1例,治療期間中の死亡は全体の10.1%であり,造血器関係以外でgrade 4の副作用はなかった。基準量投与群でも安全性に問題なく,治療効果の面でも,ほかの報告と同等であり,いずれも高齢者に施行可能な治療法であると考えられた。

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© 2000 一般社団法人 日本血液学会
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