實驗消化器病學
Online ISSN : 2185-1166
ISSN-L : 2185-1166
胃液ニ關スル實驗的研究
第七篇「ピロカルピン」ノ犬小胃々液分泌作用ニ及ボス影響ニ就テ
栗原 詣一
著者情報
ジャーナル フリー

1932 年 7 巻 6 号 p. 835-854

詳細
抄録

パウロフ小胃犬ニ就キテ、「ピロカルピン」ノ一定量(五・○-〇・○瓱)ヲ試食ト同時、或ハ其前後各一時間ニ於テ皮下注射シ、其小胃ヨリノ分泌量、分泌持續時間、遊離塩酸、總酸度並ニ總「クロール」量ヲ分泌全經過ニ亘リテ詳細ニ觀察セシニ、分泌量ハ「ピロカルピン」注射ニヨリテ著明ニ増加シ、酸度モ亦上昇スルヲ認メタリ、然レドモ總「クロール」量ニアリテハ殆ンド其影響ヲ〓ルコトナク、恒數ヲ保持スルモノナルヲ確認セリ。
然リ而シテ「ピロカルピン」ノ斯ノ如キ胃液分泌催進作用ニ及ボス二、三植物性神經毒則チ「アドレナリン」、「アトロピン」及ビ「エルゴタミン」ノ拮抗乃至共同作用ヲ檢索セシニ、何レモ「ピロカルピン」胃液分泌ヲ抑制スルモノナルヲ知レリ。但シ此ノ場合ニ於テモ亦、總「クロール」量ハ分泌經過中略々同高ヲ示セリ。

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top