日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
胆管過誤腫様変化と胆管細胞腺腫が併存した肝内胆管癌の1例
高橋 祥高田 弘一河野 豊宮西 浩嗣石渡 裕俊林 毅佐川 保佐藤 勉佐藤 康史瀧本 理修小船 雅義黒岩 巌志平山 眞章飛岡 弘敏平田 公一尾松 睦子長谷川 匡加藤 淳二
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 107 巻 3 号 p. 461-469

詳細
抄録

症例は76歳男性.不明熱にて受診.画像にて肝腫瘍を認めた.腫瘤は3.1×3.0cmで肉眼型は白色の腫瘤形成型,組織学的には線維性被膜を欠き豊富な間質結合織をともない,腺管様配列を呈し浸潤性増殖をきたす中分化型肝内胆管癌であった.腫瘍内の一部に細胆管癌様組織像を認めた.腫瘍の近傍には嚢胞性に拡張する過誤腫様変化と異型のない胆管が小結節状に増殖する胆管細胞腺腫が存在した.過誤腫様変化を呈した領域と胆管細胞腺腫と肝内胆管癌には相互に移行像は認められなかった.また,正常肝のグリソンには胆管過誤腫を認めた.

著者関連情報
© 2010 (一財) 日本消化器病学会
前の記事
feedback
Top