日本消化器集団検診学会雑誌
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第40回日本消化器集団検診学会: 会長講演
超音波集検から得た胆嚢病態
小野 良樹
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2001 年 39 巻 6 号 p. 481-487

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抄録

1980年より現在に至るまでドックを中心に実施している超音波検診よりいくつかの知見を得たので報告する。胆石溶解対象症例はUS上, comet tail, sonolucent stone, を呈するいわゆるコレステロール石であり, 溶解剤, 及びその量はCDCA (300mg/day), UDCA (300mg/day) が妥当と考えられる。溶解期間は6.3ヶ月以内を指標とする。コレステロールポリープは生化学所見に異常が無く正常体格者に好発する。11.5%に増大をみとめるが増大速度は極めて緩除であり増大速度より癌との鑑別は可能である。低カロリー食では胆嚢収縮が軽度であり, 胆嚢診断は十分に実施できた。すなわち270Kcal下の摂食では胆嚢診断の許容範囲と考えられる。

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