消化器集団検診
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免疫学的便潜血検査2日法による大腸がん検診の評価
島田 剛延森元 富造樋渡 信夫山下 和良熊谷 裕司菅原 伸之山崎 日出雄相田 重光長川 史野口 哲也阿部 慎哉池田 卓豊田 隆謙
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1998 年 36 巻 6 号 p. 640-649

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抄録

免疫2日法による地域集検発見大腸癌 (集検群) 585例と病院発見有症状大腸癌 (病院群) 303例を比較し, 大腸がん検診の有効性について検討した。
進行度を比較すると, 集検群は病院群より早期の段階 (深達度の浅い状態) で発見されていた。これを反映して, sm以深の大腸癌の5年生存率は集検群82.5%, 病院群59.5%と, 集検群の予後は病院群に比し有意に良好であった。また, 比例ハザードモデルにより, 性, 年齢, 部位, 組織型で補正し, 集検群の病院群に対する大腸癌死亡のハザード比を算出すると, 0.333と有意に低値となった。すなわち, 集検群の予後は病院群より? 好であることが示唆された。性・年齢階級別に検討したところ, 50~70歳代にかけては検診の有効性が示唆されたが, 40歳代と80歳以上の年齢階級では症例数が少なく, 今後更に症例数を蓄積し検討する必要があると思われた。

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© 日本消化器がん検診学会
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