調理科学
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献立内容に関する研究(第1報)
主菜,副菜について
村山 陽子貝沼 やす子
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1983 年 16 巻 3 号 p. 182-187

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抄録

献立を構成する主菜・副菜の組み合わせを考えるにあたっての基礎的知識を明確にするため,調理書における献立内容の検討を行った.結果は次の通りである.
(1)1つの献立に使用されている材料の総数は7~10種であった.
(2) 主菜は蛋白質性食品を主とし,平均使用量:100g前後であり,煮る・焼く・妙める・揚げるの調理方法が多かった.
(3)つけ合わせをつける主菜(焼き物,揚げ物,生物等)の場合,つけ合わせは主食品より少なく,約半量位とし,色合い,口触り等を考えて調理されていた.つけ合わせに使用される食品は2種前後であった.
(4)つけ合わせの無い主菜(煮物,妙め物,蒸し物等)の場合,蛋白質性食品とほぼ同量程度の他食品を使用していた.
(5)主菜一皿に使用されている食品は4~5種であった.
(6)副菜は主菜に使用する全食品重量の約半量を使用し,その約75%以上は蛋白質性食品以外の食品があてられていた.使用される食品数は3種前後であり,主菜よりやや少なめであった.
(7)副菜の調理方法の選択は,献立を栄養的,量感的,味覚的,視覚的に好ましく完成させることを念頭において考えられていた.つまり,調理方法は主菜とは変え,煮物・和え物・汁物等と組み合わされている場合が多かった.
以上のように,献立とは単に多数の料理の中から数皿を並べただけではなく,お互いに関係を持つように選ばれた数皿から構成されていると考えても良いであろう.
献立をたてる発想方法は多方面から検討されてきた事と思うが,献立の主となる料理,主となる食品を決めることから出発し,上記の事柄を一応の拠り所にして献立の大枠を作り.その内容を埋めていく料琿を考えて行くのも一つの方法であろう.勿論,最終的には,栄養的バランスがとれていることが必要であり,そのためには,各料理を構成する食品の選択にあたって,十分に食品の栄養素に関する知識を重ね合わせていくことが大切であろう.

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© 一般社団法人日本調理科学会
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