日本調理科学会誌
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広島地方のお好み焼きにおける加熱調理がキャベツの嗜好特性に及ぼす影響
石橋 ちなみ檀上 沙梨長谷川 桃子吉田 充史杉山 寿美
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2020 年 53 巻 2 号 p. 89-97

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抄録

 本研究では,お好み焼きのキャベツの嗜好特性を明らかにすることを目的とし,広島地方で多く食されているお好み焼きのキャベツと,蒸し加熱,茹で加熱したキャベツを試料に用いて,テクスチャーおよび糖量の測定と官能評価を行った。テクスチャー測定の結果,お好み焼きのキャベツの上層は中層,下層よりも有意に最大剪断荷重が小さかった。お好み焼きキャベツの搾汁中糖量は生キャベツよりも多く,中層のキャベツで有意に多かった。官能評価において,上層のキャベツは中層,下層よりも有意に軟らかく,好ましくないテクスチャーと評価されたが,上層,中層,下層を混合したキャベツは上層よりも硬く,中層や下層よりも軟らかいと評価され,中層,下層と同様に好ましいテクスチャーと評価された。以上の結果から,広島地方で多く食されているお好み焼きには1枚中に異なるテクスチャーや搾汁中糖量のキャベツが存在することが確認され,お好み焼きキャベツの嗜好特性に影響していることが明らかとなった。

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© 2020 一般社団法人日本調理科学会
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