日本調理科学会大会研究発表要旨集
セッションID: 1P-34
会議情報

ポスター発表
「家庭百科」「生活百科」で紹介された生活技量
—明治期~戦後期の外国料理を例に—
*高橋 洋子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】明治期から戦後期にかけて刊行された「家庭百科」「生活百科」に類する書籍を資料として,開国や大陸進出といった世相と連動するように,外国の料理が日本の家庭に紹介され,浸透・融合していく様子を概観する。

【方法】国会図書館オンライン蔵書検索を用いて,タイトルに含まれる全書・宝典・要鑑・大全・事彙などの語を手がかりとして,<明治期~戦後期に刊行された「家庭百科」「生活百科」>に該当する書籍を検索した。検索で選出された書籍の目次等を参照し,記載内容を調査した。

【結果】(1)女学全書「婦女手芸法」(1893)ほか,明治中期以降に刊行された多数の書籍において,西洋料理各種の作り方が紹介された*。(2)「日本家庭大百科事彙」(1906)ほか,明治末以降に刊行された複数の書籍において,支那料理の作り方が紹介されていた。(3)「日本家庭大百科事彙」(1906)では朝鮮料理,主婦乃友花嫁講座「健康料理」(1940)では満州料理の作り方が紹介されていた。(4)家庭宝典「婦女手芸法」(1906)・「日本実用大全」(1910)ほかで和洋折衷料理が紹介されていた。(5)主婦乃友家庭講座「家庭料理」(1948)・主婦乃友生活叢書「毎日のお惣菜」(1950)ほかで和洋華のバラエティーが提唱されていた。

*明治期の西洋料理法については,日本調理科学会2022年度大会で報告した(要旨集p67)。

著者関連情報
© 2023 日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top