日本調理科学会大会研究発表要旨集
2023年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-3
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ポスター発表
玄米の調理条件がレジスタントスターチ量に及ぼす影響
*池田 倫子山中 なつみ
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抄録

【目的】粉砕や加圧加熱は,玄米の糊化を促し消化を良くするためレジスタントスターチ(以下RS)量に影響を及ぼす可能性がある。そこで,本研究は玄米と玄米粉を用いて加熱時の形状の違いがRS量に与える影響を調べるとともに加熱方法の違いや冷蔵保存がRS量に及ぼす影響について検討した。

【方法】玄米(新潟県産コシヒカリ)は食品ミル(Iwatani社製,IFM-C20G)で粉砕し,目開き250 µmのふるいに通したものを玄米粉とした。玄米または玄米粉3 gと蒸留水3.6 ml(加水量1.2倍)を各々真空パックフィルムで密封し(7 cm×4 cm),25 ℃恒温器内で16時間吸水させた。25 ℃の水1 Lとともに鍋(直径20 cm,深さ7 cm)に入れ,蓋をして沸騰まで強火で4.5分,その後弱火で40分微沸を保ちながら加熱し,消火後10分放置した(通常加熱)。2時間吸水させた試料を25 ℃の水1 Lとともに圧力鍋(直径20cm,深さ7 cm,80 kPa)に入れ,強火で4.5分,加圧下にて弱火で20分加熱した後10分放置した(加圧加熱)。2種類の加熱方法で調製した試料は,加熱当日と4℃で2日間保存後にAOAC公定法2002. 02を用いてRS量を定量した。

【結果】玄米のRS量は通常加熱0.33%,加圧加熱0.33%であり,玄米粉では通常加熱0.29 %,加圧加熱0.25%であった。冷蔵保存後は,玄米の通常加熱は0.38%,加圧加熱で0.43%に対し,玄米粉の通常加熱は0.28%,加圧加熱で0.36%であった。玄米のRS量は加熱方法での違いは認められなかったが,玄米粉では加圧加熱することで有意に低下した。冷蔵保存に伴うRS量の変化は,加圧加熱で顕著に増加した。

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