日本調理科学会大会研究発表要旨集
セッションID: 2P-30
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ポスター発表
調理教育におけるルーブリックの検討
*佐藤 幸子大石 菜穂佐竹 紀香浜守 杏奈
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抄録

【目的】2022年度大会において「調理教育におけるICT教育およびルーブリックの検討」から,具体的な評価目標を示すルーブリックは,個々の向上心となり主体的な学びに効果的であることを示した。本研究では調理実習授業の中でICT教育を進める中で学習者個人の主体的学びを見える化するために,調理教育におけるルーブリックが自己評価の手段となることを明らかにし,ルーブリックによる学習効果を検討した。

【方法】調理実習授業はCOVID-19対応授業として指導教材をデジタル化して学内LANにより事前指導教材とした。また,タブレット端末を各実習台に配置し,グループ実習の情報伝達手段として環境整備を行った。ルーブリックの評価目標は,学習者が行う「基礎的知識」,「つながり」,「振り返り・発展」のどの段階に到達できたかとなるよう質的な評価(ICEルーブリック)を作成し,学習者自身の自己評価を検証した。調査は2022年度調理実習授業(基礎調理1・2)にて実施した。

【結果】ルーブリックの評価目標は,「衛生管理」,「調理台の準備」,「炊飯・混合出汁・胡瓜の小口切り」など授業目標に具体的な評価目標を設定し,1つの評価目標に質的な5つのレベルを設定した。評価目標は,回数を重ねることにより主体的・対話的学びに結びつき個々の発展が認められ,5段階評価のうち概ね約80%以上の到達度を示した。その中で質的な評価項目内容が単純化してしまうと向上心の低下も認められた。以上のことから,評価目標に対する質的な評価項目を的確に設定することが重要であり,ルーブリックにより調理教育のアクティブラーニングが見える化され,学習者の自己分析に活用できることがわかった。

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