日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-k24
会議情報

特別企画 次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理 ポスター発表
大阪府の家庭料理 地域の特徴
ー地域別「四季の食卓」ー
*山本 悦子原 知子東根 裕子八木 千鶴阪上 愛子澤田 参子
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抄録

【目的】平成24年からの日本調理科学会「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」 研究から、山海に恵まれ商都として栄えた大阪府内に1960年から70年頃までに定着した家庭料理・郷土料理の地域別の「四季の食卓」を抽出することを目的とした。

【方法】大阪府の行政区分、日本の食生活全集「聞き書大阪の食事」の分類を参考に8地域(泉南・泉北・南河内・中河内・北河内・大阪市・ 三島・豊能)に分け、その土地に30年以上暮らしている27名を対象に聞き書を を行った。調査時期は2013年11月から2015年9月、方法等は学会ガイドラインに則った。

【結果】物流や商業の中心地大阪は「天下の台所」とよばれた。 近くに海や山を控え、あらゆる自然の恵みを手近に入手できる位置にあり、平穏な瀬戸内海の船の便によって、遠隔の地からの産物が運ばれてきたためといわれている。ちらしずし、いなりずし、かやくごはん、はりはり鍋、どぶ漬、きつねうどんなどが大阪全域で作られていた。地域別にみると、大阪市内:えんどうごはん(春)、はもの皮ときゅうりの酢の物・はもの照り焼き(夏)、バッテラ(秋)、小田巻蒸し(冬)など。三島・豊能地域:たけのことわらび・ぜんまいの煮物(春)、花・実さんしょうの佃煮(春)、畔豆ごはん(秋)、栗の甘露煮(冬)など。北・中河内地域:生節の押し寿司・若ごぼうの煮物(春)、七色しんかい(夏)、河内のっぺい(秋)、おみい(冬)など。南河内地域:うすいえんどうごはん(春)、高野豆腐粉の煮物(通年)、茶かゆ(通年)、関東煮(秋)など。泉南・泉北地域:ゆでしゃこ(春~秋)、がっちょ・泉たこの煮つけ(夏)、がざみ(秋)、じゃこごうこ(年中)など。大阪の家庭料理は,四季折々の海・山など自然の恵みに育まれてきた。

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