日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成30年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-12
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ポスター発表
米飯の冷蔵および冷凍保存が米飯パンの物理特性に及ぼす影響
*熊谷 美佑村上 陽子
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キーワード: 冷蔵, 冷凍, パン, 米飯, 物理特性
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抄録

【目的】 米は、我が国において唯一自給可能な穀物である。しかし、食の多様化や米から小麦粉食品への移行拡大などにより、米の生産量・消費量はともに減少している。本研究室では、小麦粉の代替として米飯に着目してパンの研究を行い、米飯の添加がパンの物理特性や食嗜好性の向上に寄与することを報告している。一方、家庭においては、調理にかける時間と手間の軽減のために、米飯は冷凍保存して再加熱して食べる方法が一般的に行われる傾向にある。しかし、米飯はこうした低温保存や保存状態によって、炊きたてと比べて食味や品質が低下するといわれていることから、米飯の冷蔵・冷凍保存はパンの物理特性にも影響を及ぼすと考えられる。そこで、冷蔵・冷凍保存した米飯がパンの物理特性に及ぼす影響を検討した。
【方法】 米飯パンに用いる米は、中アミロース米(キヌヒカリ、精白米)とした。米は蒸留水で洗浄し、30分間吸水させた。その後、炊飯器にて炊飯し、そのままパン調製に使うもの(対照)、4℃で冷蔵保存するもの、-30℃で冷凍保存するものの3つに分けた。冷蔵・冷凍したものは、常温に戻した後、米飯パンの調製に供した(それぞれ、冷蔵パン、冷凍パンとする)。パンはホームベーカリー(SD-BH104-D、松下電器産業)を用いて、中種法にて調整した。米飯の添加割合はいずれも0~50%とし、物理特性、製パン性(比容積、物理特性)、色彩構成を測定した。
【結果】 かたさ、凝集性、付着性、いずれにおいても、対照と冷凍パンとの間では大きな相違はみられなかった。冷蔵パンは常温の戻し方によって相違がみられ、電子レンジ加熱により温め直した米飯を用いた場合には、かたくなる傾向が見られた。

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