日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成30年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-k11
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特別企画 次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理 ポスター発表
千葉県の家庭料理 主菜の特徴
豊かな自然との関わり
*渡邊 智子梶谷 節子中路 和子柳沢 幸江今井 悦子石井 克枝大竹 由美峰村 貴央鈴木 亜夕帆
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抄録

【目的】『次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理』のガイドラインに準じて行った聞き取り調査から、昭和35~45年頃までに定着し今後も伝えたい千葉県の主菜について、その特徴を報告する。
【方法】千葉県の9地域(利根川流域(利根川),東京湾奥(東京湾),房総湾奥部海岸地域(房州湾奥),船橋地域(船橋),安房,房州海岸,成田北総台地(成田),九十九里海岸(九十九里),東金北総台地)の主菜について検討した。
【結果】日常の主菜をみると卵かけごはん、煮卵など卵料理を9地域で食べていた。鶏料理は成田を除く8地域で食べていた。魚類も全地域で主菜とし、主な料理は刺身(東京湾、九十九里)、煮魚(利根川、房州海岸、東金)、甘露煮(房総湾奥、房州海岸)、焼き魚(利根川、安房、房州海岸、東金)、干物(船橋、房州海岸)、天ぷら(利根川、東京湾、房州湾奥、船橋、九十九里)と地域により異なっていた。主要な魚は利根川と東京湾を除く7地域でいわしであった。貝類は、あさり(房州湾奥、船橋)、はまぐり(船橋、安房)、さざえ(房州海岸)、あおやぎおよびなみのこ(安房)、うに(房州海岸)と各地域で主に食べる貝が異なり、調理方法も多様であった。川魚では、どじょう(東京湾、房州海岸、九十九里海岸)、うなぎ(房州湾奥、房州海岸)を食べていた。房州湾奥の丸ガニ、みがきにしん、九十九里のたにし、かつおは、地域独自の食材である。
 一方、畜産物や乳製品をみると、成田でねぎと豚肉の煮物、魚肉ソーセージのカレーライスを食べ、安房では牛乳豆腐(ちっこ豆腐)が食べられており、他の地域では畜産物や乳製品の料理はみられなかった。また、大豆製品をみると成田では自家製の納豆、冷奴がよく食べられていた。

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