主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 平成30年度大会(一社)日本調理科学会
開催地: 武庫川女子大学
開催日: 2018/08/30 - 2018/08/31
【目的】
次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理を掘り起こすことを目的とする。今回は神奈川県での主菜の料理の特徴を明にしたい。
【方法】
神奈川県内の地域、横浜市中区・泉区・多摩区・鎌倉市・三浦市・横須賀市・大和市・相模原市・伊勢原市・秦野市・小田 原市・大磯町・山北町・真鶴町・清川村・藤沢市・綾瀬市等を中心に、その土地で生まれ育った方、嫁いでこられた年配者 の方に、1960年代頃の食生活について聞き取り調査を行った。調査結果から、主菜となる料理をまとめ、市史類からの文献による補足調査を行った。
【結果】
神奈川県での家庭料理の主菜については、立地により、海沿いでは、その地域で採取した海の産物である魚介類を利用した料理が多くみられた。それらの料理では、日常で用いられた、鯖の味噌煮、しか煮、すりみなどがあげられ、正月の行に、このしろの甘露煮がみられた。県東部の都心部では、肉類を利用した餃子・焼売などは、戦後大陸から引き揚げ者からの影響の料理もみられた。県北部では、魚の缶詰を利用してカレーライスがみられた。その他では、県北西部では、牛乳を利用して酸で固めた牛乳豆腐がみられた。このように、海沿いでは魚介類中心の料理がみられ、県中央や山沿いの地域では、肉類や乳類、野菜を使用した料理がみられ、県内地域により主菜となる食材の違いがみられたことが特徴といえる。