日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成29年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2P-59
会議情報

ポスター発表
オリーブ油の特性と短期大学生の嗜好性
大西 峰子*古谷 彰子*佐藤 成一平尾 和子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】近年、イタリア、スペインなどの地中海料理、オレイン酸などの健康に関わる生理効果も脚光を浴びるようになるにつれ、様々な種類の外国産オリーブ油が多く輸入されるようになった。そのため、オリーブ油は身近に市販される食品となったものの、この油の特性や使用法についての知識が少なく、一般にはまだ馴染みがない食品と考えられる。本研究では、未加熱オリーブ油の特性を調べるとともに、短期大学生を対象に官能評価を実施することで学生の食品知識の現状を知り、今後どのように教育していくかを検討した。
【方法】試料は、エクストラバージンオイル4種(BOSCO(2種)、味の素、アルチュネロ)、およびピュアオイル(BOSCO)を用いた。官能評価は順位法を用い、未加熱で①オリーブ油単体の場合、②バケットまたは食パンにつけて食べた場合について嗜好の評価を行った。パネルは本学一年次の学生50名とした。
【結果】どちらの場合も官能評価において、香りや味の項目でマイルドなピュアオイルが最も好まれた。エクストラバージンオイル4種は香りや辛味や渋みなどが最もあるとされる傾向にあったが、試料間に有意の差は認められなかった。この結果は、本学学生のほとんどが未加熱のオリーブ油を食べ慣れておらず、パンにつけて食べるなどの食べ方にも馴染みが薄いためと考えられた。逆に、オリーブ油を普段から食べ慣れている学生の自由記述の中には、「バゲットと食パンでは適するオイルが違う」という意見も見られたため、未加熱、加熱時のオリーブ油の特性とその使用法を学生に教えることで、オリーブ油をより身近な食材として浸透させることができると推察した。

著者関連情報
© 2017 日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top